電子帳簿保存法 改正 無理?
概要
2022年1月から電子帳簿保存法が改正されます。個人事業主も例外ではなく従わないと罰則があります。なのに意外と認知度が低くて知らないひとも多いんじゃなかと思います。
改正内容をわかりやすく解説してくださっているYoutubeやwebを見かけますが、じゃあ具体的にどうすればよいのかいまいちピンときませんでした。
なので、自分が行っていることを元に解説致します。
・タイムスタンプってどうやるの?
・ ファイル名の規則性と事務処理規定の作成
・会計システムの利用
・会計ソフトfreeeを使って電子帳簿保存
タイムスタンプってどうやるの?
改正内容を見ると、電子帳簿の改ざんを防ぐためにタイムスタンプが必要とあります。自分でタイムスタンプを押す場合、Adobe Readerで可能です。
Adobe Readerを開くとツールタブに新しい機能「証明書」が追加されています。このモードで起動し
開いたPDFの上部にタイムスタンプのボタンがありますのでクリックします。
すると、タイムスタンプサーバーがどうのこうのというダイアログが表示されます。
タイムスタンプサーバーは編集メニュー⇒環境設定から下記のダイアログの赤丸から設定します
なお、タイムスタンプサーバーを有料で契約するには月額5000~20000円かかり、押すごとにいくらかかかります。
ちょっと待って、そんなの無理ですから。お金ないし。しかも開業費の領収書が400枚越えてますんで、やってられないっす。
なので、ぼくの場合、タイムスタンプをあきらめて違う方法にしました。下記の2つです。
・ ファイル名の規則性と事務処理規定の作成
・会計システムの利用
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ファイル名の規則性と事務処理規定の作成
タイムスタンプなんて大がかりなことができない小さな会社や個人事業主は、PDF化したファイルをちゃんと管理して、むやみに改ざんを防止するために事務処理規定を作成しそれに従って運用してくださいとなっています。ええ加減なこと言うな、ソース元はどこやねんってことになりますので以下説明いたします。
下記リンクに国税庁の電子帳簿保存法一問一答というPDFがあります。
リンク=> 電子帳簿保存法一問一答
その文書の問12と問24が該当の内容です。
引用:国税庁の電子帳簿保存法一問一答
問12 妻と2人で事業を営んでいる個人事業主です。取引の相手方から電子メールにPDF
の請求書が添付されて送付されてきました。一般的なパソコンを使用しており、プリン
タも持っていますが、特別な請求書等保存ソフトは使用していません。どのように保存
しておけばよいですか。
【回答】
例えば、以下のような方法で保存すれば要件を満たしていることとなります。
1 請求書データ(PDF)のファイル名に、規則性をもって内容を表示する。
例) 2022年(令和4年)10月31日に株式会社国税商事から受領した110,000円の請求書
⇒「20221031_㈱国税商事_110,000」
2 「取引の相手先」や「各月」など任意のフォルダに格納して保存する。
3 【問24】に記載の規程を作成し備え付ける。
※ 税務調査の際に、税務職員からダウンロードの求めがあった場合には、上記のデータに
ついて提出してください。
※ 判定期間に係る基準期間(通常は2年前です。)の売上高が 1,000 万円以下であり、上
記のダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合には、上記1の設定は
不要です。
【解説】
令和3年度の税制改正により電子取引の取引情報に係る電磁的記録については、電磁的記
録を出力した書面等を保存する措置は廃止され、その電磁的記録(データ)を保存しなけれ
ばならないこととされました。
請求書データ等の保存に当たっては、一定の要件に従った保存が必要ですが、上記の方法
により保存することで要件を満たすこととなると考えられます。
なお、上記1の代わりに、索引簿を作成し、索引簿を使用して請求書等のデータを検索す
る方法によることも可能です。
問24 電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存に当たり、規則第4条第1項第4号に規
定する「正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理の規程」を定めて運用
する措置を行うことを考えていますが、具体的にどのような規程を整備すればよいので
しょうか。
【回答】
規則第4条第1項第4号に規定する「正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務
処理の規程」は、当該規程によって電子取引の取引情報に係る電磁的記録の真実性を確保す
る観点から必要な措置として要件とされたものです。
この規程については、どこまで整備すればデータ改ざん等の不正を防ぐことができるのか
について、事業規模等を踏まえて個々に検討する必要がありますが、必要となる事項を定め
た規程としては、例えば、次のようなものが考えられます。
なお、規程に沿った運用を行うに当たっては、業務ソフトに内蔵されたワークフロー機能
で運用することとしても差し支えありません。
なお、1000万円以下の売上(基準期間通常2年前)の場合、名前に規則性はいらないとありますが、最低限わかるようにExcelで表を作って管理し、その照合を行えるような名前にしておくのがいいでしょう。
管理する一覧のひな形や事務処理規定のひな形は国税庁が作ってくれていますので、ご参考ください。
リンク=>国税庁 参考資料(各種規程等のサンプル)
※個人事業主の方はページの「電子取引に関するもの」の下の
・(索引簿の作成例)(Excel/11KB)
・電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程(個人事業者の例)(Word/15KB)をダウンロードしてください。
ぼくの場合、索引Excelは以下のようにしています。ドルで買っているので日本円を入力して付け加えています。
№の部分は注文番号です。PDFファイルの名前を「注文番号.pdf」にして照合できるようにしています。
pdfファイルは、開業費、202111、202112…という名前のフォルダに入れて管理しています。
事務処理規定は、国税庁のひな形をほぼ丸写しにして家事按分の規定を付け加えています。
会計システムの利用
代表的な個人事業主向け会計ソフトの電子帳簿保存法改正の対応状況
会計ソフト | 領収書、取引先から受領した紙の取引書類を電子保存 、電子取引 | 国税関係帳簿 (仕訳帳、総勘定元帳など) | 国税関係書類 (決算関係書類) | 収納容量 |
---|---|---|---|---|
やよいの青色申告オンライン | タイムスタンプ | 対応済 | 対応済 | 2GB(安心+2GB) |
マネーフォワードクラウド確定申告 | 「取引先名」「日付」「金額」などの情報を合わせて保存し、検索 | 対応済 | 対応済 | パーソナルミニ100MB パーソナル10GB |
freee個人向け会計 | 改変履歴管理、検索機能(2022年1月対応予定) | 会計帳簿機能 (2022年1月対応予定) 優良電子帳簿機能(2022年中) | 2022年1月対応予定 | スターター5枚まで/月 スタンダード10GB |
会計ソフトfreeeを使って電子帳簿保存
ぼくの場合、freeeを使っています。2022年1月からアップロードしたファイルの変更削除履歴が管理できるようになります。そうなったら完全にそちらへ移行しようと考えています。
現在も未処理を補完入力する際に、下記のように備考に注文№を入力、領収書のpdfを必ず添付するようにしています。
添付したら原本は削除してもいいんですが、クラウドサービスを解約したり、サービス自体なくなる可能性を考慮して別途保存しておくことをお勧めします。ぼくの場合、デスクトップと会計処理用のノートパソコンのデータを共有するためにWindows標準でついているOne Driveに保存しています。また、念のために3日に1回外付ハードディスクにバックアップしています。
freeeのファイル履歴管理機能。(2022年1月予定)
履歴管理できるのであればタイムスタンプも不要になります。
引用元:freee(電子帳簿保存法改正 完全対応)
もしも、freeeをご検討されている方は、プランはスタンダードがおすすめです。(2022年1月以降のファイルBOX拡張に伴いスターターでもいいかも知れません)
引用元:freee(個人向け会計プラン)
理由としましては、スターターだと領収書が5枚(2022年1月以降ファイルBOX大幅拡張予定)しか取り込めません。すなわちアップロード+添付も5回までとなります。5回しかものを買わないのであれば十分ですが、そんなことないと思います。
毎月引き落としのたびに入力するのが面倒くさいのでスタンダードプランの年間支払いにしましたよ。
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