メインが会社員で個人事業主が副業の場合は、マイクロ法人を作る必要はないでしょう。国民年金+国民健康保険の支払いにご苦労されている方は、マイクロ法人の設立をご検討されてはいかがでしょう。

マイクロ法人とは?
マイクロ法人のメリット
マイクロ法人のデメリット
マイクロ法人を作るかの結論

マイクロ法人とは?

社会保険を節約するために個人事業とは別に小さい法人を立ち上げます。(会社員で副業で個人事業主の方は対象外です。)

マイクロ法人の条件
・役員報酬をできるだけ抑えて所得税、地方税を抑える
・役員報酬をできるだけ抑えて社会保険料を抑える。ただし低すぎると社会保険に入れない。
・売上をできるだけ抑えて法人税を抑える。ただし赤字でも7~8万円/年かかる。
・役員報酬を支払うので売上がないと赤字になる。赤字にならない程度の売上があった方がベスト。


いまいち理解できないという方からよく聞く疑問点
A1.そんなにややこしいことしなくても法人1本でよくない?
Q1.役員報酬があがると社会保険料が爆上がりします。会社負担分+個人負担分なので国民健康保険+国民年金を余裕で越える。

A2.売上が1000万円以上あるから個人事業主だと所得税が大変なんだけど?
Q2.累進課税の率が法人課税の率を超える時に法人成り(*1)を考えた方がいい場合があります。個人事業と法人に売上を分散できるのであれば、それで一度シミュレーションをした方がいいかも知れません。
ただし役員報酬を抑えると自由に使えるお金が減ります。会社のお金=自分のお金ではないからです。

*1:法人成り=個人事業主が法人になること

マイクロ法人のメリット

やはり一番魅力を感じているのは社会保険です。ぼくの場合、健康保険は会社を辞めた時に任意継続を選びました。結構な金額になっています。国民年金は配偶者という概念がなく、自分と妻と二人分の支払いが必要です。

比較を表にしました。(夫婦2人、妻扶養)

健康保険任意継続・国民年金 (個人事業のみ) 健康保険・厚生年金 (マイクロ法人)
健康保険(年額)435,240円71,616円(協会けんぽ)(個人会社合計)
年金保険(年額)398,640円193,248円(個人会社合計)
合計 833,880 円 264,864 円

マイクロ法人で社会保険に入ることで約57万円の減額になります。その他、少額の売上であれば法人の方に分散すれば節税の効果があります。

マイクロ法人のデメリット

1)設立費用がかかる。合同会社であれば株式会社にくらべてコストを抑えることが可能です。合同会社でfreeeを使えば6.5万円で設立できます。

株式会社 合同会社 備考
定款印紙代0円0円電子定款の場合。紙=4万円
定款認証手数料5万円0円
登録免許税15万円6万円
合計20万円6万円

※freeeを使った場合、最終的に司法書士さんの電子定款費用として5000円かかりますが、そのままfreee会計を申し込むことで0円になります。

2)赤字でも法人税がかかる。7~8万円/年

3)別途ソフト代がかかる(決算を申告を自分でやる場合)
・freeeの場合、会計ソフトとは別に法人では申告ソフトが必要です。
 freee法人会計ソフト:23,760円/年(ミニマムプラン)
 freee申告ソフト:24,800円/年(税務署で自分でやる方法はあります)

4)会社印の作成費用がかかる
・Amazonか楽天で4000円ぐらい。


5)税理士費用
・自分でやる前提ですが、どうしようもない場合や最初の決算は、やはりお力を借りないとダメかも知れません。
 5~30万円


7)決算の処理の難易度
・通常は税理士さんにお願いしないといけませんが、会計ソフトで十分いけます。


8)個人事業主と法人で事業をわけないといけない
・個人事業主と法人で受ける仕事は明確にすみわけする必要があります。
 ぼくの場合は、下記の振り分けで考えています。
  個人事業主:漫画制作、ブログ
  法人:Web開発、システム開発

結論

マイクロ法人のメリットは、十分にあると思います。
ただし初年度からメリットを出す場合には、
1.合同会社を選択して設立費用を抑える。
2.申請作業は自分で行い、司法書士費用を抑える。
3.会計ソフトや申告ソフトを使って税理士費用を抑える。
以上の3点が必要です。

事業に専念したい、経理や会計ソフトは面倒くさいという方は、マイクロ法人はお勧めしません。